昨年（2023年）スペシャル・エディションとして発売されたM800のグリーン・デモンストレーターです。

このモデル、実は1992年にペリカンにとって初の限定品として発売されたM800グリーン・デモンストレーターの復刻版的な仕様なのですが、外観ですぐ気がつく違いは、装飾リングです。
1992年のグリーン・デモでは、他のM800同様2本のキャップ・リングと尾軸リングが付いていましたが、2023年版のそれは両方とも1本になりました。
これは、カスタムっぽさを出しながら実はコストの削減では、と下衆な勘ぐりをしてしまったのですが、考えてみればこの1本のリングはM800グリーン・デモンストレーターにしか与えられていませんから、むしろ余分なコストを掛けているのです。
コストの話ついでにもう一つ。
デモンストレーターというモデルは、通常のモデルに較べて本体自体にコストが掛かります。それは通常のモデルでは必要がない、内部の研磨作業が発生するからです。

今やデモンストレイターは、作っていないメーカーの方が少ないほど、ペンのひとつの仕様として確固たる位置を占めています。
その中でも、ペリカンというメーカー、デモンストレーターに関しては1950年代の400でも作られていましたから、デモンストレーターの老舗と言って良いでしょう。

デモンストレーターの魅力として、中のインクが見える、という点が挙げられますが、ペン本体の美しさも普通のモデルにより増している点も大きな魅力と言えます。
これは、上述した内面の研磨による光沢が産み出す光の反射が加わるからなのです。

ニブ：18KのEF
インク：ピストン・フィラー
全長：131.0mm
胴軸： 13.0mm

新品未使用
すべてのオリジナル・ボックスとブックレットが揃った完品
小売価格：82,500円

値段を調べていて面白い事に気がつきました。
特別生産品として昨年の5月に売られたこのM800グリーン・デモンストレーターは、円安の影響を受けた現行の標準生産品のM800の小売価格85,800円より安いのです。

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