備前焼、人間国宝、藤原雄作の作品です、焼けは緋襷に成りますが、自然の産物とでも言いましょうか金色に輝く緋襷が見て取れます。最近では、金彩備前等研究熱心な作家が、試行錯誤の末焼成に成功して、注目されています、実際私はその金彩備前に成功した作家と話しをしましたが、一度に何百点も焼く中で、鮮やかな金彩の景色が出来上がるのは、僅か10点程との事で、窯に火を入れる時の湿度、窯の中の温度等微妙な物に作用されるそうです、松割木の質も有るそうです備前焼の作家ですら松の割木の質までは判る者が居ないそうです松割木に含まれる油性成分の率松の木には他の木には含まれ無い非常に燃焼温度が上がる成分が含まれて居ます松割木が窯の中で燃焼した燃えカスが松灰と成り1350度まで最高温度が上がる事によって松灰が様々に変化して行きます上から降り掛かる松灰は高温によって溶け胡麻と成ります、偶然が重なって産まれた、人間国宝藤原雄の金彩緋襷徳利です。藤原雄は藤原啓の長男として1932年にこの世に生を受け、偉大な父親である啓の影響も有り1955年に陶芸家としての道に入る、藤原家の血筋的なのか陶芸家になり、偉大な父親から陶芸の技術、技を一から学び連日連夜見聞きしては努力研究に時間を惜しまなかった事から早くから陶芸家としての才能が開花し30年後の1985年に天皇陛下より、日本伝統工芸界の発展に日々尽力を注ぎその努力が認められ、皇居に招かれ勲章の授与を受け岡山県重要無形文化財に認定されその10年後、親子2代に渡って文部科学省より備前焼の作家3人目の国指定重要無形文化財いわゆる人国宝藤原雄が、誕生した訳です芸術家なら誰もが一度は夢見る頂点が人間国宝の称号だと言われています、雄の7歳年下の弟で啓の２男現在も備前焼作家として活躍中の敬介氏に此の珍しい徳利の真贋鑑定をしていただいた事が有ります、敬介氏は徳利を手に取り人間国宝藤原雄好みの素朴な作りですね、金色に発色した緋襷が実に珍しい、此の形の徳利は兄が人間国宝となり、その５年後の６９歳の若さでこの世を去るまでに兄が好んで数多く作り続けて来た人間国宝藤原雄が生涯愛してやまなかった実兄、人間国宝藤原雄自ら作製した徳利に間違い有りません。大切に今世だけでは無く、此の徳利と出会い貴方のモノと成り、貴方が保存するのも何かの御縁ではないでしょうか、実兄藤原雄が此の世に残した備前焼の陶芸家とし生涯を掛けて貫き通し実父啓の影響もあって備前焼作家、陶芸家として一生涯を貫き通すと固く誓った1955年から苦節４１年飽くなき努力と備前焼に対しての探究心また優れた陶芸家に成るべき持って生まれた潜在能に陶芸家としての偉業を成し遂げ金重陶陽に続き備前焼作家として２人目の国指定重要無形文化財保持者人間国宝藤原啓誕生に芸術界が注目陶芸美術界では全国的に六古窯の一つで在る備前焼だけが芸術性と美術的観点を世界的レベルでの評価と成り外国からの影響を受ける事無く備前焼のルーツは須恵器に始まり須恵器が発展技術の進捗、また須恵器を焼き締める為の窯作りの研究が始まり長い年月を経て須恵器時代の薪に火を付けて焚火の中に粘土で形成した土器を入れて焼く原始的な須恵器は水は漏れすぐ壊れて不便な物でしたが発展した陶器は石を重ねて熱が逃げない様に窯を築き徐々に窯内部の温度か高く成る様に進歩して鎌倉時代に備前焼を焼いていた窯穴窯と似た本格的な陶器が平安時代には作製され陶器時代の幕開けが来ました高温て焼き締める為に焼成した水が漏れない丈夫な陶器が庶民の間で使われる様に成り生活も次第に変わりました奈良時代は中国から進んた文化が伝わってきました頂点とも言うべき備前焼作家国指定重要無形文化財保持者人間国宝藤原雄として新に生まれた族子や孫へと、来世に伝えて行くのが貴方の役目ですと敬介氏に言われました、そんな人間国宝藤原雄の弟敬介氏鑑定済みの雄が生涯弧度無く愛し好んで作り続けた徳利形は珍しい作品では無いですが、此れも人間国宝藤原雄の人間性を知る上で、必要な一品では無いでしょうか？敬介氏鑑定後、共箱蓋裏に敬介識と書いて欲しいと頼んだら、此れだけ兄らしい作品の共箱に真贋鑑定の識を私がする意味が無いですし、自然のままが一番で、共箱に他人が後から筆を挿れるというのは邪道であり作者の尊厳を傷付ける行為だと私は思って居ます、
何かの事情で箱が無い作品に付いては、実兄藤原雄の作品、実父藤原啓の作品の真贋鑑定、後から箱を作られて作品をいれて来られた方は品物にもよりますが、箱横正面に藤原雄、啓の作品名を書き間違い無き作品なり、敬介識と、書くそうです。そんな人間国宝藤原雄の金彩緋襷徳利、私も備前焼収集家として、敬介氏の純粋無垢な方の気持ちに応える事が出来ず複雑な気持ちですが、一身上の都合により、長い年月を掛けて手に入れた、備前焼は全て売却しますが少しでも高く売れる様に、当方の事情をご理解してください私も仕事が忙しくなかなか出品出來ませんが、ヤフオクで出品する方が高い値段で落札される事も多々有ります。今回出品する、人間国宝藤原雄昨、金彩緋襷の珍しい一品です、サイズ高さ13㌢、幅広10㌢、底幅5.５㌢、共布はシミ、汚れ無し保存状態良し、共箱の状態経年劣化により箱が全体的に日焼けにより黄ばんでいますが、目立った傷等御座いません。徳利底部分にヘラで陶印を刻んでいますが、比較的若い頃の作品です1960年代から70年代に作られた作品だと陶印と共箱の劣化具合から推察しています。50年以上前に製作された桐箱ですから蓋が多少汚れて居ますが箱に到っては４面共に保存状態は良好ですシミ等全く御座いません