1906-1982 赤絵磁器を代表する「柿右衛門」の窯元13代、人間国宝、佐賀県に12代酒井田柿右衛門の長男として生まれる、失透釉の乳白色の素地は、米のとぎ汁に似るところから「濁手」と呼ばれ、江戸中期の4代目以降衰退していたが、53年父と共にその復元に成功、71同年「柿右衛門」(濁手)は重要無形文化財に総合指定され、その保持者として認定されたが、76年文化財保護法の改正により、保持者は柿右衛門製陶技術保存会に認定換となった、主に伝統的な模様を用いた保守的傾向の強い12代に対し、写生に基づく模様の創作を試み、現代性を加味した新しい柿右衛門様式を確立した、72年紫綬褒章、78年勲四等旭日小綬章、没後正五位に叙せられる

1923-2009 陶芸家で日本芸術院会員・日展顧問、佐賀県生まれ、1969年十三代中里太郎右衛門を襲名、1984年第15回日展にて日本芸術院賞を受賞、2000年日工会会長に就任、2002年京都大徳寺本山にて得度し、管長福富雪底老師より安名吟風宗松菴号逢庵を授けられる、2004年京都造形芸術大学より博士号を取得、陶芸家として初の博士号を受ける、古唐津再興をなした父・無庵の跡を継ぎ、伝統ある中里家を維持していくために古唐津スタイルを堅持しながらも、芸術性の高いモダンな唐津焼を求めていった、生業と芸術の間を揺れ動き、陶芸家および陶磁研究者としても粉骨砕身した一生と言える

1926-2001 「色絵磁器」の重要無形文化財保持者(人間国宝)で、日本工芸会副理事長、佐賀県生まれ、12代今右衛門の長男、東京美術学校工芸科卒、1975年13代今右衛門を襲名、1976年色鍋島技術保存会(重要文化財総合指定)の代表として伝統を継承、薄墨技法を開発、吹重ね"の独自の技法も開発、1986年紫綬褒章、1988年毎日芸術賞、第1回ＭＯＡ岡田茂吉賞大賞、1999年勲四等旭日小綬章、1997年今右衛門古陶磁美術館開館、「薄墨」や「吹墨」のほか、中国・明代の緑地金彩にヒントを得て、緑の上絵具を地色として塗りこめる技法も好んで用い、白地や淡色地の多い従来の色鍋島に、新しい作風をもたらした