上等な壁掛け式燭台です。

表面は木目を引き立たせる拭き漆で仕上げ、

縁取りは僅かに段差を持たせて黒漆で仕立てており、

大変手の込んだ逸品です。

金属製の立体的な家紋と

墨書きで「五挺之内」とあり

本来複数あったうちの1丁だと思いますが

資料的に興味深いものです。

丸い円に８つ筋が付いた

シンプルさがまた際立った家紋で

天皇家と関わりのある

八つ菊に似ていますが

興味深い所です。

長押（なげし）などに掛けて使用し

電気の無い時代、このような物を用い

電灯代わりに明かりを確保していました。

冬の時期に行われる茶事に

午後6時ごろから行われる夜咄〔よばなし〕の茶事と

朝の明けきらない時に行われる暁〔あかつき〕の茶事があり、

燭台が必要とされていました。

現在でも茶席ではこのような古来からの燈火具が用いられ、

その風情も楽しまれます。

燭台の皿は上から差し込んである構造上

多少グラつきますが、

機能的には問題無いかと思います。

その他作りのしっかりしていて総じて良好です。

とても古い物ですので

画像もご確認の上ご検討ください。

★燭台サイズ(約寸)★

高さ41.5cm

幅7.2cm

板厚1.5cm

受け皿径5.3cm

重量420gほど

墨書き

「五掟之内」

家紋に縁のございます方

インテリアとしても★

蝋燭を立てて静かな夜を風流にお楽しみ下さい。