御室窯 仁清 色絵 羽子板 香合 京焼 金彩 赤絵 四世 北村和善 御室焼 鶴亀 松竹梅 亀甲 青海波 縁起物 正月 新年 美品 共箱 共布 和善 手描

御室窯の仁清色絵 羽子板香合です。干支物や“ぶりぶり”などの縁起物は 決まり物で繰り返しではありますが、それでもかざらずに居られないのは かならず巡りくる「かわらぬ春」の目出度さや有り難さのお相伴 お裾分けの意味合い 心持ちが大きいのだと考えます。
御室窯は 仁清以来の伝統として絢爛豪華な作品を造り出し 見事な成果だと思います。多種多様で間口の広い京焼の世界にあって 一方の極点を示す作風で、京焼のパワーの根元が眼前よく理解されます。箱書その他にも “御室窯” とのみ記載され 作家名は見当たりません。作家名にも増して “御室窯 御室焼” を尊重する姿勢が明確で、先人に対しての畏敬の念とプライドの大きさが伝わります。
金彩色絵が眩い 大変に豪華な香合です。“歳旦を祝する” と言う単目的の為だけの品ですが、その趣意に沿って 蓋部の上面には “松竹梅 鶴亀 亀甲 青海波” の吉祥柄が配され、文字通りの“めでたさ“と“華やぎ“が満載です。これだけの柄が並ぶと 普通ならば混み合い感が出るものですが、意匠自体にかなりの伝統が有るのでしょう…全てが障りなく綺麗に収まり 見事です。横から見ると絵具の盛り上りがヴォリューミイで、ゴージャスさの理由が分かります。側面は“金砂子の梨地”風で、併せてどこまでも華麗です。
丈長く少し大きめのサイズです。手で扱うことも可能ですが、若干不安定な形状で かざることを第一に考えた作品であろうと感じられます。その分 立派にかざられた際の見事さは言うまでもなく、景物として何かに添えても 見栄え良く素晴しかろうと想像します。
“羽子板”を香合に仕立てる場合は、それと分かる事が先ず重要で、程々の大きさ 具体的な造形 細密な描彩などが求められ至難だと考えられます。こうした華麗 精緻で装飾性の高い メッセージ性の強い作品を作った時のこの窯の力は無双だと感じます。なにぶん燦然たる出来映えで、ゴージャスさと言い鮮やかさと言い “御室窯” の面目躍如たる作品だと考えます。

美品です。限定した時期のみに使用する特殊な作品ですので、当然ながら 使用感少なく大変に良い状態です。素地も白くサラサラとして とても新鮮です。共箱蓋に若干のシミ跡 全体に桐の木色あり。桐の木色を見ると 製作から相応の時間が経過している事が分かります。本体には 少しだけ練香の残り香があり、この品なりの春秋が思われて ちょっと感慨深いです。

概寸 w 4.2cm×d 11.8cm×h 2.5cm

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