人は古代より夜空にひかる星を神と崇め、星が人の運命を支配すると考えてきました。【高松塚古墳壁画、呉竹鞘杖刀（正倉院御物）等】。

陰陽道のルーツである中国では、古くから天体の動向は天帝（神）の意志であり、地上の皇帝のみが知ることができると考えられてきました。
・・・天体の動向を観察することでつくられる暦はまさしく神の意志そのものであり、代理人である皇帝が民にもたらすものだったのです。
｛ロマンで古代史は読み解けないー科学者が結ぶ、地図と陰陽ー（坂本貴和子・渡辺英治著　彩流社2018年発行）｝より抜粋。

中世では、北極が天の北極にもっとも近い指標の星であるだけではなく、皇帝を象徴する星であり、仏教・道教などで神々を象徴すること
とされたためです。北斗七星は、北極星のまわりを規則正しくめぐる天の大時計であり、陰陽五行や四季の移り変わりを司る秩序の象徴で
あり、死を司る神（延命長寿を祈願）として崇められていました。本展では中国から伝来し、日本では平安時代の中頃から朝廷や貴族の間で
始まった星を巡る儀礼と文化を紹介しています。北辰と北斗信仰、妙見菩薩、星祭り、密教儀礼などにかかわる資料を78点収録しています。

●　図録「星の信仰」

●　目次
　　　開催にあたって
　　　凡例
　　　図版
　　　第一部　北辰と北斗
　　　第二部　星々の物語
　　　展示品解説

●　編集・発行　 神奈川県立金沢文庫

●　発行日　平成3年7月17日

●　サイズ　18.3㎝×25.8㎝　63ページ

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